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一遍上人絵伝「囲碁盤」の謎(長さん)

普通唱導集の成立とだいたい同じ、西暦1299年完成という
鎌倉時代の絵巻物で、一遍上人絵伝という国宝の絵巻がある。
2種類あるらしく、ここで問題にするのは、静岡県三島の民家で、
囲碁をする人物像が描かれている、京都の歓善光寺本(12巻)
と言われる方である。絵師は円伊という方で、民家は、駿河三島
神社の近くにあるその当時の家屋内を模写したということだ。
下の方に囲碁等に興じている人物達が描かれており、囲碁の道具
のうち、囲碁盤とされるものは、下のようなものだ。私の画像処
理の仕方が悪いため、盤は左下が欠けて歪んでいるが、実際には
絵からは厚みは感じられないが、平らである。これは定説では
「囲碁盤」とされるが、以下に普通唱導集時代の大将棋との関連
で論じる。絵については、国立博物館で現物か、平凡社版の、
渋沢敬三著「日本常民生活絵引」等で、確認をしていただきたい。
一遍上人絵伝.gif
ところで、この絵に描かれた遊戯道具は囲碁盤とされているよ
うであるが、囲碁盤にしては、路の線が、縦横19本の線では
なくて、行段が、左端が悩ましいが13~14本、縦筋が10本
あるように、私には見える。ようするに、

升目にすると、9×12升目か9×13升目の将棋盤状である。

ただし、聖目は書かれてい無い。以上から、
ひょっとして、普通唱導集大将棋の13×13升目盤の、縦筋だ
けはデフォルメかと、私は、この絵を見たときに色めきたった。
しかし、盤の上の方に、僧侶らしい対局者の一人の手が見えてい
るが、大将棋・中将棋にしては、”駒”らしきものを、盤面から
高く、持ち上げすぎているようにも思える。握っているのは将棋
駒ではなくて、やはり碁石なのであろうか。なお、たいがい囲碁
の図にあって、将棋盤には描かれないので区別が付く、

碁笥が、この絵には載っていない。

更に、升目の大きさは縦がリアルだとすれば、対局者の手の大き
さから、縦一升目2.7センチ程度かと思う。将棋の升目が
3.1センチ、囲碁盤の路の間が2.2センチ位だろうか。
どちらともいえないだろう。以上の通り、なんとも悩ましい絵だ
と私は感じた。
 もっと、大将棋と一目でわかる”道具”が、この絵に描かれて
いたとしたら、今頃この絵は将棋史上は、最重要な史料の一つに、
なっていたに違いないのにと、惜しまれる。何れにしても、
この史料からは、

将棋盤の升目の史料が出る事も、大将棋の今後の研究にとって、
たいへん大事な情報である

ということが、はっきりと判る例だと思う。
現物の普通唱導集の大将棋用の将棋盤が、どこかで出土するのが
ベストだが、絵として、もっと判りやすい例でも良いので、その
ようなものが、見つからないものかと、私にはこの絵を見て、し
みじみ感じられる。(2017/04/26)

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