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普通唱導集大将棋から後期大将棋への進化。本当に5段目化が後か(長さん)

今の所、本ブログでは、後期大将棋が15世紀の初頭、曼殊院の将棋図
の作成年より、少し前に発生したと考えている。また、本ブログでの見
解では、後期大将棋が発生する要因は、大将棋の改善ではなくて、中将
棋というゲーム名と、つじつまを合わせるための形式的な、ゲームの作
成との、独自の見方をしている。従って、普通唱導集大将棋は、難が判っ
てから、しばらくは放置され、中将棋が隆盛しはじめた、14世紀の終
わり頃になって、徐々に後期大将棋の形になっていったと見る。
まず、普通唱導集の初期の駒配列は、以下の通りである。

普通唱導集の大将棋の配列(西暦1290年頃・本ブログの見解)
五段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
三段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
二段目:反車飛龍嗔猪猛牛猛虎麒麟酔象鳳凰猛虎猛牛嗔猪飛龍反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

これが、14世紀の終わりごろ、大将棋の15升目盤化が起こり、悪狼
猛豹、猫叉のうちの2種類(以下では、猛豹と猫叉を例として選択)と、
石将が入った上で、4段目歩兵列のまま、一例では、次の配列になった
とみる。

15升目化した後の大将棋の配列(西暦1380年頃?・本ブログの見解)
五段目:口口口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口口口
四段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
三段目:飛車飛龍横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛龍飛車
二段目:反車猛牛猫叉嗔猪猛豹猛虎麒麟酔象鳳凰猛虎猛豹嗔猪猫叉猛牛反車
一段目:香車桂馬石将鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将石将桂馬香車

この歩兵配列4段目型は、15升目盤の聖目が仲人の上になり、「仲人
が聖目外であるのは、一説でしか無い」との旨の、水無瀬兼成の将棋纂
図部類抄の記載と、つじつまが合うため、以前に採用されたものである。
 そしてその後、歩兵段が一段上がって、悪狼、猛豹、猫叉のうちの
残りの1種類(このケースは、例として悪狼)が入り、獅子が加わって、
15世紀の初めに後期大将棋になったと、本ブログではみるのである。

後期大将棋の配列(西暦1410年頃出現。出現時期は本ブログの見解)
六段目:口口口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口口口
五段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
四段目:飛車飛龍横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛龍飛車
三段目:口口猛牛口口嗔猪口口悪狼麒麟獅子鳳凰悪狼口口嗔猪口口猛牛反車
二段目:反車口口猫叉口口猛豹口口盲虎酔象盲虎口口猛豹口口猫叉口口反車
一段目:香車桂馬石将鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将石将桂馬香車

 しかしながら考えてみると、「仲人が聖目外であるのは、一説でしか
無い」との旨の、水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の記載は、安土桃山時代
に書かれたものであり、上記の進化の実年代が正しいとすると、
約200年差がある。だからひょっとすると、
悪狼、猛豹、猫叉、石将を加えて15升目盤に対応してから、歩兵4段
型を、歩兵5段型に膨らませたのではなくて、逆に歩兵4段型を歩兵5
段型に膨らませてから、悪狼、猛豹、猫叉、石将を加えて15升目盤に
対応した

形成順序が、あべこべの可能性が本当に無いのかどうか疑う事もできる

ように、考えられた。すなわち、普通唱導集大将棋を、予め膨らませた、
次のような、歩兵段第5列の将棋が、本当に無かったのだろうかという
事である。

(A)普通唱導集を最初に膨らませた仮想の大将棋の配列
六段目:口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
五段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
四段目:飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
三段目:口口飛龍口口猛牛口口麒麟口口鳳凰口口猛牛口口飛龍反車
二段目:反車口口嗔猪口口猛虎口口酔象口口猛虎口口嗔猪口口反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

そこで、今回の論題は、上記(A)のような初期配列の将棋が、本当に
無かったと言えるのかどうか、というものである。
 そこで、何時ものように回答を先に書くと、

ゲームデザイナーは(A)のようなゲームは作成しなかった可能性が大

だと、私は考える。
 そこで、以下、そう考えられる根拠を述べる。
その根拠は、この配列から、以下のような戦陣が、簡単に作れるからで
ある。

(A)から作られる、大駒の消耗が爆発的な将棋となる戦陣配列
七段目:口口口口歩兵口口口口口口口口口口口口口△歩兵口口口口
六段目:歩兵口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口歩兵
五段目:口口歩兵口口歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵口口
四段目:飛車横行堅行角行口口龍王口口龍王口口角行堅行横行飛車
三段目:口口飛龍口口猛牛龍馬麒麟口口鳳凰龍馬猛牛口口飛龍口口
二段目:反車口口嗔猪口口猛虎奔王酔象口口猛虎口口嗔猪口口反車
一段目:香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

先手と後手が、上記の同形の戦陣を作った後に、互いに手順に、
▲13七歩兵と、△1七歩兵の仕掛に出ると、互いに少なくとも
飛車2枚、反車2枚、香車2枚、角行2枚、龍馬2枚の、大駒10づつ
計20枚が、端列の七段目の地点で互いに相討ちになり、序盤で、突然
消えてしまう将棋になるのである。実は結果として、両者の玉には奔王
で、王手まで掛かる。

これではあまりに駒の消耗が早すぎて、その後の展開が、すこぶる
つまらなくなる将棋

である。
 つまり、後期大将棋系のゲームは一般に、膨らませた陣から出発する
と、急戦の後、駒枯れが起こりやすい将棋になりやすいのである。
 事実、後期大将棋でも、駒の配列変えは、上記の中間型よりは、ずっ
と多いが、同じような駒相討ち型の、戦陣も無理をすれば組めることを、
私は前から知っていた。
 従って、15升目で歩兵4段配列の、

駒がぎっしり詰まった将棋は、一見すると日本将棋の常識からすれば、
不自然かもしれないが、この充填型に、大将棋では比較的なりやすい
傾向がある

と、考えられるというわけである。(2018/04/25)

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