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平安大将棋の奔車。どのような過程で”反車”に変化したのか(長さん)

さいきん諸橋徹次著の大修館漢和辞典を調べていて、
平安大将棋(西暦1200年)から、普通唱導集の大将棋(西暦
1300年)の間に、反車へ名称変更したとみられる

奔車の反車への変更は、奔王の導入ではなくて、飛車の導入が原因

であると、私は思うようになった。なお、本ブログでは、飛車は、
ゲームをつまらなくしているという、神話が走りが複数になり
解消すれば入るべき駒と、当ブログではみており、
西暦1200年から1230年の間に導入されたとしているので、

前に述べた、大将棋の年代別初期配列の仮説に内容の変更は無い。

さてその理由だが、前記の漢和辞典に、中国の古典に現われる

奔車という熟語が載っており、二中歴記載の、平安大将棋の奔車と、
もともとルールが合って居無い

のを、発見したからである。なお、前記の漢和辞典によると、奔車
とは、”乱れた走り方をする車”の事との旨が例示されている。つ
まり、前進と退くような走り方に限定される、奔車のルールとは、
元々合って居無い。
 以前は、奔は走り駒の修飾詞ではあるが、平安大将棋の時代には、
元の、この場合は、香車よりも走りが強いという意味で、奔車は、
当初は一応合理的な命名だったのだろうと、熟語を発見していなかっ
た私は、漠然と考えていた。そして、

奔王が出来たときに、歩みの方向に走るというシステムが形勢され
たため、後ろへも、走り所が多いという意味で単に命名された
奔車は、合理的な命名ではなくなったとみられて、反車に取り替え
られた

と私は、古作登氏同様見ていたのである。そのため、奔車から反車
への変化は、奔王や奔横の導入と、関連性があるのだろうと、仮定
されたのであった。
 しかしながら、

奔を、歩み方向に走る修飾詞だとするシステムは、考えてみると、
摩訶大大将棋が形勢されるまでは、存在しないと見るのが合理的

だった。つまり

奔車は、中国語の熟語として元々存在したので、駒名になっただけ

だったと見るのが、むしろ正しかったのである。
 なお、横道にそれるが、奔王という熟語は前記辞典には無い。
 奔王がどうして出来たのかは、奔車よりも、むしろ不思議なよう
である。もしかすると、奔には複数の意味があり、王につける場合
には”敗走する”の方が、奔王という和製熟語の意味としては、
むしろ近いのかもしれない。つまり、”逃げ足の速い王将(中原誠
の玉の事か?)”の意味である。
 そこで、話を奔車に戻すと、実は反車という熟語も、上記漢和辞
典には載って居無いので、将棋ゲームのデザイナーが考え出した熟
語である疑いが強い。そのため、反車という駒名自体が、どうして
考え出されたのかをはっきりさせるのは、かなり難しいようである。
 なお、横道に又それるが、反車の反が、退くの意味の場合、反車
は”はんしゃ”または、”ほんしゃ”と読むべきであって、通説の
駒名、”へんしゃ”には、ならないらしい。反が”へん”と読む
ケースは、前記辞書によると、反が”覆す”の意味の場合だけ、だ
からである。つまり、”へんしゃ”では、車がひっくり返りそうで
ある。以後私は個人的に、普通唱導集大将棋第1節は、発音として
”ほんしゃきょうしゃがみみをやぶり・・・”と読むことにした。
音が実は、”ほん”で同じだったので、その点だけでは、奔から、
反へは、変更しやすかったのだろう。
 さて話を再び戻すと、変えた本当の原因として一つ考えられるの
は、上記漢和辞典には、少なくとも、

奔走も、反走も載っている

点がヒントのように思える。すなわち、奔走と反走の意味の差に基
づいて、奔車を反車という、存在しない熟語の駒名に、もしかした
ら変えたのかもしれないと、私には考えるようになった。なお、
奔走は、冒頭の漢和辞典によると、”あちらこちらに走る事”のよ
うであり、これはたいていの、中型の漢和辞典に載っている意味と、
同じになると見られる。それに対して前記大型の漢和辞典によると、

反走という熟語が、古典的な中国語には有り、行って走り戻ること、
または、”行って走り退くこと”という、一次元の前後動きを指す

という。つまり、反走する車という表現をとると、反車にピタリで
あり、奔走では、やはり奔王の動きとも、飛車の動きとも区別のつ
かない、不正な行度である。以上のように、特定の文献だけだが、
漢和辞典を調べた結果、

以前考えた私の思考方式は、奔の修飾詞を、余りにも摩訶大大将棋
式で見すぎていた

と、反省させられるようになった。つまり、奔王、奔横よりも、

飛車が発生すると、奔車では、それとはほぼ区別がつかなくなった

と見た方が、辞書を調べた限りは、より尤もらしいと、考えられる
ようになって来たのである。
 以上の経緯で今後は、奔車の、反車への名称変更は、

奔王ではなくて、飛車の発生に関連付ける事に、本ブログでは訂正・
変更する事にした

という、結果になった。(2018/04/29)

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