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獅子が3踊りの15×15升目130枚制大将棋(長さん)

 日本に於ける駒数多数将棋は、前回までにのべた、チェス
の全大駒方式、日本将棋の持ち駒ルール方式、シャンチーの
九宮の弱い王方式の何れも、その進化の過程で取らず、獅子
の導入という第4の改善方式を取った。ここで、獅子は2踊
りだけが現存するが、江戸時代の将棋の書、”将棋図式”の
中将棋の駒の動かし方ルールの冒頭に有るように、升目の多
い将棋では、任意に獅子型の不正行度の踊りの範囲を、拡大
したものを、想定するという方式だったと推定される。
 すなわち、”将棋図式”によれば、「天竺大将棋以上では、
獅子は3または5踊りのルールで使う」とある。
 そこで、ここでは試しに、15×15升目130枚制大将
棋に、3踊りの獅子を適用してみたので、結果を報告しよう。
なお、文献では「天竺大将棋以上」になっているが、天竺大
将棋では、今回チェックしなかった。理由は、獅子以外に、
副将、獅鷹、火鬼が2枚と、複数の踊り駒類が、初期配列の
時点でこの将棋には有り、模式的なゲームではないと、私見
するからである。ちなみに、獅子は2踊りで中将棋の12行
の盤を、下から上段相手奥へ、5~6手で移動する。他方、
3踊りに変えると、15~16行の盤なら5手で、自陣下段
から、相手上段へ到達する。
よって、15×15升目盤で3踊りと言うのは、やや狭いが
まあ我慢できる程度の、比率のように思えた。
なお、ここで、”3踊り”とは、具体的に
は以下の動きと定義した。

①着地点は、空き升目か、駒が有っても相手駒であって、自
分の駒で無い升目であって、相手駒がある場合は、取り除き、
②自分の駒、相手の駒に係わらず、経路途中の駒は飛び越せ、
③経路途中の相手駒は、任意に取れ、
④経路は、玉将の隣接升目8方向の何れの升目へも、1歩ご
とに繰り返して行く、獅子型の不正行度の動きで、
⑤後戻りや、酔歩も任意にでき、
⑥1~3歩の範囲で、踊る数を範囲指定できる、ピンポイン
ト型では無い、範囲の広い踊りである。
⑦なお、8方塞がり時のじっとの手も、酔歩の合禁が決めに
くいため、今回は暫定的に禁手にしない事にした。

ちなみに、この後期大将棋は、江戸時代型の中将棋の成りを
取り入れたルールとする。すなわち、龍王、龍馬が、飛鷲、
角鷹に成る等し、飛鷲、角鷹の前斜め、前方のそれぞれ2踊
りも、上の獅子の踊りとした。

次に、獅子を不正行度3踊駒とした場合、中将棋同様、その
ままでは、後期大将棋の場合も、獅子が獅子で簡単に取られ
てしまう。そこで、ここでも、獅子に関する特別規則を次の
ように、加えた。

①獅子を獅子で2歩目で取るケースは、3踊り目が出来ない
ものとする。すなわち、3踊りだった獅子は、2歩目が獅子
取りのケースだけ、動きを2踊りまでに制限され、以下の獅
子に関する特別則の特に②は、事実上獅子を2歩目と3歩目
に取った、2通りの場合について、適用されるようにする。
②盤上に獅子が敵味方1枚づつある局面に於いて、そこから
獅子を獅子で取った手の次の手で、獅子を取られた相手が、
別の駒等で、獅子を取り返す手段があるときには、獅子を
獅子では取れないとした。(足のある獅子を獅子で取る禁手)
ただし、盤上の獅子の枚数が、敵1、味方1以外のケースか
ら出発する場合は、獅子を獅子で自由に取ってよい。
③盤上に獅子が敵味方1枚づつある局面に於いて、そこから
自分の獅子を相手が、獅子以外の駒で取るか、味方の獅子を、
相手が麒麟で取ってたまたま獅子に成ったとき、別の所にい
る獅子についてだけ、味方の残りの駒で、相手の別の所の獅
子を、連続的に取り返す事はできない。なお、このルールは
獅子を獅子で取るケースの次の手で、相手が使った獅子を、
取り返す事に対しては、無関係なルールとする。すなわち、
取り返せるのなら、獅子を獅子で取った時には、次の手で、
相手の使った獅子は、取り返しても、自分の側は禁手になら
ないので、そもそも、最初に相手が獅子を取る手を指すと、
相手が②の事から、反則負けになるとする。
なお、2手先の自分の手で、相手の獅子を同様に取ることに
ついては、今述べた制約は無い。
また、相手の獅子を取った後、別の駒で相手が、殊勲の駒を
取り返せなくても、中将棋のルールと違って、獅子取りの続
け指しは禁手とした。(強い先獅子)
ただし、盤上の獅子の枚数が、敵1、味方1以外のケースか
ら、相手の獅子取りが始まる場合は、獅子を連続して取っ
てよいとする。
④②には例外は無く、付け喰いも、ここではできないものと
した。(付け喰いやその例外、および獅子を討つ手の規則は、
設けなかった)

なお、その他のルールは、中将棋の成りを取り入れた、15
×15升目130枚制後期大将棋のルールの通りとした。
すなわち悪狼、嗔猪、猫又、飛龍、猛牛、鉄将、石将、桂馬
等は、金成りとした。
飛龍、猛牛は、後戻りが不能な点だけが、飛鷲や角鷹とは違
う、1または2の踊りと、ここでは多少強く調整してみた。

結果、この将棋の獅子が3踊りとなって強くなった分は、
ほぼ、盤升目が多くなった事によって相殺され、
獅子自体は中将棋並みの”ちょうどよい強さ”に
思えた。
しかし結果は総合的に見ると芳しくなく、
初期陣形で、袖の4段目の配列、
中央より、
奔王、龍王、龍馬、角行、竪行、横行、飛龍、飛車の
6、7番目が、縦走りになっていないため、序盤、ただち
に3踊り獅子に袖から攻め込まれるという、”陣の欠陥”
が、現行の後期大将棋のままだと発生する、致命的な難点が
ある事が判明した。すなわち、

後期大将棋の獅子を3踊りとした場合は、角行、横行、飛龍
(2踊)を、中将棋の袖歩下段のように、概ね”縦走り駒”
に変える事が、ほぼ必須であるようだった。

なお、そのためには、3段目の配列、すなわち、中央より
獅子、麒鳳、悪狼、空升、嗔猪、空升、猛牛、空升
(”麒鳳”は左が麒麟、右が鳳凰)にも、
適宜、4段目駒として、不適な種類の駒を移動させる必要が
あるようだ。それには、前に104枚制普通唱導集大将棋を
104枚制現代大将棋試作1に、変更したやり方にほぼ習い、
飛龍を上記2踊駒から、角行の動きと同じ駒、更に金成りか
ら不成りの、平安大将棋型”飛龍(角行型)”に戻した上で、
元々の角行の位置に移動させ、

たとえば、4段目を、
奔王、龍王、龍馬、飛龍、方行、竪行、竪兵、飛車
3段目を中央から、
獅子、麒鳳、悪狼、空升、角行、横行、横兵、空升
(”麒鳳”は左が麒麟、右が鳳凰)にする必要が必須のよう
だ。
なお竪兵、横兵、および後述の車兵、水牛は天竺大将棋の動
きと同じとすると良いと思う。ただし竪兵、横兵や後述の、
車兵、水牛のそれぞれ縦や横の2升目動きは、現代大将棋の
横兵で示したように、角鷹や飛鷲の、前や斜め前の、”戻り
可能正行度2迄踊りの動き(居喰い可能)”とした方が、
覚えやすくて良さそうだ。
ただし5段目は歩兵だけ、6段目は飛龍(角行)の2つ前に
仲人とそのままだし、(仲人は酔象に成る)
2段目は中央より、
酔象、盲虎、空升、猛豹、空升、猫叉、空升、反車
1段目は中央より、
玉将、金将、銀将、銅将、鉄将、石将、桂馬、香車
のままである。
そして、前の改善と同様に、嗔猪と猛牛は取り除く。

まとめると結局、後期大将棋は次の形に変化する。
4段目は中央から、
奔王、龍王、龍馬、飛龍、方行、竪行、竪兵、飛車
3段目を中央から、
獅子、麒鳳、悪狼、空升、角行、横行、横兵、空升
2段目は中央から、
酔象、盲虎、空升、猛豹、空升、猫叉、空升、反車
1段目は中央から、
玉将、金将、銀将、銅将、鉄将、石将、桂馬、香車
となっている。(麒鳳は、左辺が麒麟、右辺が鳳凰)
なお、5段目は15枚の歩兵、6段目の飛龍(角行動き)
列に、双方にそれぞれ2枚の仲人が来る。
更に

鉄将、石将、桂馬、竪兵、横兵、方行の成りを、
竪兵、金将、横兵、車兵、水牛、不成

程度へ調整しても、良いように思えた。(成りの条件は、
このケースは、”中将棋型獅子入り改善方式のため”
中将棋型のままでも良いと思える。)
4~1段目の成りは、対応する、上に示した元の駒の配列の
位置に示すと、
4段目が
不成、飛鷲、角鷹、不成、不成、飛牛、車兵、龍王
3段目が
不成、獅奔、金将、空升、龍馬、奔猪、水牛、空升
2段目が
太子、飛鹿、空升、角行、空升、金将、空升、鯨鯢
1段目が
不成、飛車、竪行、横行、竪兵、金将、横兵、白駒
となる。(なお、獅奔とは、麒麟の成りが獅子で、鳳凰の成
りが、奔王との意味である。)また、5段目15枚の歩兵は
それぞれ金将へ、6段目飛龍(角行型動き)列の2枚の仲人
は、それぞれ酔象に成る。
何れにしても、中将棋型の改善方法だと、終局時、盤の陣の
底の方に、幾分か小駒が溜まったままの状態で、玉が、実質
的な”跳び超え駒の獅子”で、詰まれる状態が、普通の将棋
になる事が、前提になるのだろう。しかし獅子の踊り数の調
整で、このやり方でも、事実上、盤升目の拡張は、可能升目
数が、20升目以下の場合は、離散値(とびとび)感がある
が、一応幾らでも可能とみられるようだと、私には今回認識
できたように思われた。(2016/12/15)