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世界の主な将棋に紹介された、西洋系駒数多数将棋(長さん)

前回、チャンギの駒数多数系将棋を紹介した文献として示した
岡野伸さんの「世界の主な将棋」には、侍従駒を大駒に変えて
いるという点で、西洋チェス的な、ローカルカントリー・ゲー
ム(古典将棋版)として、インドと、スペインの、今は廃れた、
将棋を紹介している。廃れた訳なので、出来はかならずしも良
くないわけであるが、web等では、余り見かけない、貴重情
報なので、ここでも、ゲームそのものを紹介しておく。
 インドのゲームは、シャトランジの大型版で、以下の、世界
の主な将棋で紹介されている、インドのシャトランジ自体が、
副官駒を、チェスの女王に変えているので、チェス型とみなせ
ると、私は考える。つまり、シャトランジは、岡野伸さんの
上記書では、次のようなゲームである。

8×8升目で、王を中央左として、相手を見る形として、次の
ように配列する。
一段目:車、馬、象、将、王、象、馬、車
二段目は兵が計8枚。
動かし方は、
王:縦横斜めへ隣接升目へ1升。1度だけ八方桂の動きが可能。
将:チェスの女王の動きである。
象:斜めへ2升まで。
馬:八方桂馬。
車:飛車の動き
兵:チェスのポーンと同だが最初だけ2升目というルール無し。
兵だけ成り、そのとき居る列筋の自陣最下段の駒と同じ駒に成
る。(チャトランガタイプ)ただし、王の段に居る兵は将に成
る。
以上のように、将がチェスの女王の動きのため、この著書で
紹介されているシャトランジは、侍従ゴマを大駒に変化させた
よりチェスに近いゲームである。

そして、インドのシャトランジと同じ系統で、駒を新たに加え、
駒数多数化した将棋が、12×12升目48枚制の以下の、
アトランジというゲームである。このゲームは、文献には現れ
るが、現在では、ゲームされていないようとの事である。ルール
は、以下のようになっているようで、玉は中央の左として、同じ
く相手を見る形で、次のように配列する。(チェスとは違う。)
一段目:車、馬、旗、戦車、象、帥、王、象、戦車、旗、馬、車
二段目は兵が計12枚
動かし方は、
王:玉将の動きのみ。
帥:チェスのクイーンの動き。
象:角行の動き。
戦車:飛車の動き。
旗:角行の動き。
馬:八方桂馬。
車:飛車の動き。
兵:チェスのポーンと同だが最初だけ2升走というルール無し。
成りは、シャトランジのパターン。ただし、王、帥列の兵は、
チェスと同じルール。また、昇段しようという駒は同じ種類の
味方の駒が無くなった分しか作れない。そこで成る事によって、
過剰な数の状態となってしまう、奥2段目兵は、消耗するまで
そのまま動けず、成り後の味方駒種の1枚が、相手に取られた
らその兵を、1段目に上げなければならない。
またステイルメイトの規定が特殊で、回避させるために、相手
の王以外の駒を、盤上から取り除ける。

つまりアトランジは、駒の種類は増えたが、動かし方は角行や
チェスのビショップの動きの駒以外、新しい動きのタイプの駒
が現れない。馬を除いて、大駒は皆、走り駒である。
以上が、インドの12升目タイプの紹介されている古典、駒数
多数タイプの将棋で、これはチェスタイプの拡張型である。

 次に以下が、同じく岡野さんの著書で紹介されている、古い
時代のスペインのチェス型ゲームで、グランド・アセドレフで
ある。
 このゲームは、次のようなルールになっている。
初期配列は、チェス同様、先手の黒が王が中央の左、後手の白
の王が、中央の右となり、白から黒を見わたす向きで、次のよ
うに、初期配列される。
一段目:城、ライオン、ユニコーン、キリン、ワニ、グリフォ
ン、王、ワニ、キリン、ユニコーン、ライオン、城
二段目と三段目は全部、空き升目で、
四段目に兵を合計12枚、配列する。
駒の動かし方のルールは、以下の通り。
王:玉将の動き。ただし初手だけ、大局将棋の玉将や白象の動
きができる。(初期配列からは縦、横、斜め8方向、2升目ま
で走りという事である。)
グリフォン:斜め1升目と、そこから縦横に動く。前の地点と、
1筋ズレて走ると言うことである。
ワニ:角行の動き。
キリン:縦横3升目まで走りに加えて、3升目の地点から、斜
めで、遠ざかる2隣接升目へ1升目歩む。
ユニコーン:初期配列位置からは八方桂馬。ただし、そのとき
相手の駒を取れない。別の升目に移動したのちには、角行と同
じ動きに変わる。
ライオン:縦横3升目まで走る。
城:飛車の動き。
兵:チェスのポーンと同だが最初だけ2升目というルール無し。
兵だけ成り、そのとき居る列筋の自陣最下段の駒と同じ駒に成
る。(チャトランガタイプ)ただし、王の段に居る兵はグリフ
ォンに成る。(この点でも、チャトランガに似ている。)
裸王は負けだが、スティイルメイトもあり、自分の別の駒と、
王との位置を交換する手を特別に指して、回避できるという、
特殊ルールがある。

以上のように、スペインの古い時代の駒数多数将棋、12×1
2升目48枚制グランド・アセドレフも、チェス型の拡張ゲー
ムではあるが、単なるチェスの拡張ではなく、その系統では
あるものの、特殊な動きの駒を加え、その割合が多い。たと
えば、クィーンに当たる駒が無いのも、大きな特徴である。

以上のインド、スペインのそれぞれの、古典、駒数多数将棋は、
岡野さんが確認した範囲では、現在は盛んではない、日本の
中将棋のような境遇のゲームである。チェス型で大駒を更に増
やしても、その点ではゲームの劣化が起こらないが、盤升目数
を二桁とすれば、大駒が中央段に来ないで、真ん中がガラ隙に
なるという棋譜の見栄えの悪さ、「中央大穴」の問題が発生す
ると、私は認識している。そのため、ヒャーという特殊なルー
ルを持つ駒を導入するなどして、問題を回避したモンゴルの、
ヒャーシャタルは生き残り、インドのアトランジと、スペイン
のグランド・アセドレフは、余り指されなくなったのだろうと、
考えるのである。(2017/03/25)