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将棋纂図部類抄と松浦大六氏所蔵象戯図式。正しい大大将棋はどちら(長さん)

 安土桃山時代後期の水無瀬兼成の将棋纂図部類抄と、江戸時代作の
松浦大六氏所蔵の象戯図式の大大将棋を比べると、成り駒のルールが、
違うのが目立つ。前者では、21種類の駒に成りがあるが、後者では17
種類の駒にしか、成りが無い。では、この二つの文献で、大大将棋の成り
のルールとして、正統なのは、はたしてどちらなのであろうか。最初に
答えを書くと、この点に関しては、

水無瀬兼成の将棋纂図部類抄が正しい

ようである。根拠は、

象戯図式の成りのルールは、将棋纂図部類抄で、著者が恐らくおかしい
と考えた4種類の駒の成りを、単に保留にして、言及せずにいるだけで、
不成りとも実は、断定していない

からである。なお、その4種類の駒とは、狛犬、毒蛇、飛龍、猫叉であ
る。このうち、飛龍と猫叉は、水無瀬の将棋纂図部類抄では、それぞれ
龍王と龍馬に成るとされる。ちなみに大大将棋の飛車と角行は、不成り
である。この二種類については、象戯図式の著者から、”異形である”
とされたと、容易に想像できる。ただし、大大将棋では、麒麟の成りを
大龍、鳳凰の成りを金翅にする等、下位の将棋種から成りのパターンを
変えて、私に言わせると、新しいのがバレ無いように、しているのだと
思う。だから、龍王と龍馬に成るのが、通常と違う駒でも、しかたがな
いのではないかと思う。
 次に、毒蛇は鉤行成りと、水無瀬の成り駒配列図で、きちんと書いて
ある。だが、水無瀬自身か、書写したときに、隣の大象の成りと、打点
を混同したようである。そのため、本来の鉤行の、駒の動かし方のルー
ルに、明らかになって居無い。これが謎だから、象戯図式の著者は、毒
蛇の成りのルールに、言及するのを止めたとみられるのだが、これは、
やり方として、行き過ぎだと私は思う。

毒蛇の成りは、大大将棋では鉤行と、するしかない

のではないか。
 さて、一番問題なのが、狛犬の成りと将棋纂図部類抄ではされる、

大象である。

狛犬の成りに、松浦大六氏所蔵の象戯図式の作者が、言及しないで、放
り出してしまったのは、将棋纂図部類抄の

大象の動かし方を示す、ルールの打点”+++”の解読に、失敗した
からだ

と私は見る。そこで江戸時代に象戯図式が、不明として解読を諦めてし
まった、安土桃山時代の将棋纂図部類抄の”+++”の意味の究明を、
彼らに代わって今回、私が試みてみた。結論を書くと、

1歩も2踊りも可能な3踊りと、走りを兼ねる動きを表す記号

だと結論された。根拠は、

摩訶大大将棋の教王の打点が、大象の6方向のこの記号と、同じ形になっ
ている

からである。よって、将棋纂図部類抄の大大将棋の狛犬の成りの大象は、
前と横と斜め後ろと後ろの6方向に、狛犬のように1歩も2踊りも可能
な3踊りができると同時に、4升目以降も、元の位置との間に、駒が無
ければ、単純走りの動きもできる。(動きを兼ねる。)また、斜め前の
計2方向には、踊り(隣接升目で止まれないと見られる。)の動きが出
来る、とのルールであろうと、見られるという事である。
 ちなみに、この将棋纂図部類抄の”+++”記号は、隣の成り毒蛇の
鉤行のは、間違って付けたものだが、他に教王、法性のほか、大大将棋
と、泰将棋の金翅でも使われている。なお、松浦大六氏所蔵の象戯図式
では、金翅については、”・・・”と、勝手に解釈、し直されてしまっ
たようである。また、更に江戸時代の後期に、

大局将棋の作者は、この”+++”記号を、”駒を3つ跳び越せる”と
別の解釈をしているが、これも私に言わせると、間違った解釈

だと思う。やはり金翅も、斜め前方には、狛犬のように1歩も2踊りも
可能な3踊りができると同時に、4升目以降も、元の位置との間に駒が
無ければ、単純走りの動きもできる(兼ねる。)、という意味なのでは
ないのだろうか。
 以上のように、松浦大六氏所蔵の象戯図式の大大将棋のルールブック
では、何か水無瀬兼成からの情報ではない、別の情報に基づいて、将棋
纂図部類抄とは、別の大大将棋の駒の成りルールが述べられている訳で
なく、

単に、将棋纂図部類抄で、彼らにとって理解できない部分を、スルーし
てしまっているだけ

なので、

正しく理解し直せたとするならば、水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の方を
正しいとして、採用するべきではないか

と私は、以上のように考えるようになったのである。(2018/01/03)

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