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カンボジアの9路→8升目象棋進化は、なぜ起こったのか(長さん)

前回と同じく、松岡信行著「解明:将棋伝来の謎」(2014)には、
東南アジアを含む、外国の将棋類のゲームの紹介がある。内容は、
世界の将棋の著者、梅林勲氏の研究にも、拠る所が多いようである。
 その中で、類書に重要な論点の記載が、余り見当たらない国のゲー
ムとして、増川宏一氏が、かつて将棋Ⅰで、”日本の将棋、伝来の元
地ではないか”と示唆していた、カンボジアの象棋がある。現行は、
オークシャトランジと言うそうであるが、古くは、シャッツロンと
言ったとの事である。
 問題は、このゲームが日本の平安小将棋同様、本ブログ言う、

8升目型と9升目型との間で、進化した記録がある

という点である。なお、少なくとも現在のカンボジア将棋の馬、車駒
は、マークルックと同じく、八方桂、飛車型なので、9路型の古形も、

旦代の難点は、9升目の標準平安小将棋とは異なり、回避されている

と、みられる。なお、副官駒の動きを、金将から猫叉に変えても、
旦代の難点は、無くならないと、私は認識する。歩兵をポーンにして
も、概ねだめなはずである。なお歩兵列を、9路型シャッツインのよ
うに、平安小将棋の3段目とは違って、4段目にしても、行き詰まる
までの手数が、短くなるだけであると、私は考える。そこで、今回の
論題は、このカンボジアのシャッツロンが、

旦代の難点が生じない筈のに、9升目標準型平安小将棋タイプから、
本ブログの言う、8升目原始平安小将棋型へ、逆戻り進化をしたのは
何故か

という内容にしてみた。回答を、いつものように初めに書くと、
元王朝が東南アジアに席巻したときに、カンボジアには、こっそりと
反中国的な思想が広がった。そのため、八方桂馬と飛車型だった、
シャッツロンの馬、車駒は、

一旦、当時のカンボジアのアンコール王朝には”同胞”と見られてい
た、大理国の桂馬と香車動きのルールに、元王朝文化への同化や属化
を嫌って移された。

その結果、本来シャッツロンには、生じないはずであった旦代の難点
が、9路置きシャッツロンでも発生してしまって、8升目へ変えざる
を得なくなったのではないかと、本ブログでは推定する。ようするに、

旦代の難点が発生すると、9升目の標準型の平安小将棋を指すのは止
めて、8升目の原始型の平安小将棋を指そうとするのは、誰でも同じ

なのではないかと、私が言いたいわけである。

少なくとも私は、カンボジアのシャッツロンの進化の写真を見せられ
て、ただちに連想するのが、旦代の難点である事だけは、確かだ。

恐らく、後鳥羽上皇の時代(鎌倉時代前期)に、9升目型の標準的平
安小将棋を指すのは、皇族の見ている前だけで、裏では8升目型を指
しているといった事は、日本でも、実際にも有った事を、外国の将棋
の進化が、半ば証明している、という事ではないのだろうか。
 少なくともカンボジアの9路象棋が、日本の9升目平安小将棋と同
じく、中国古代官製の、左右対称から来た、12世紀の頃の物である
事は明らかだろう。むろん、12世紀の時点に、カンボジアの象棋で、
馬が八方桂で、車が飛車である事は、シャンチーに左右対称について、
合わせた事の継続と考えれば、自然であろう。
 次いで、カンボジアの当時の王朝であるアンコール王国が、13世
紀にモンゴル帝国が、東南アジアへ進行してきたにも係わらず、表向
き、降伏と恭順の意を表明して、なんとか、征服は免れた事は史実で
ある。しかし、降伏と恭順は、中国側への表向きの態度であって、実
体は元王朝の一部になる事を、少なくとも精神的には免れるために、
カンボジアのシャッツロン(オークシャトランジ)の

象棋の馬・車ルールを、少なくともアンコール王国の宮廷では、イス
ラムシャトランジと同じ形の、中国シャンチーから、日本の将棋型(
大理国の王宮将棋型と同じと推定)に、少なくとも一時的には変えた
としても、余り不思議ではない

のではないか。その結果、日本の9升目の平安小将棋のごとくに、旦
代の難点が発生して、ゲームとして成立しなくなってしまった。そこ
で、マークルックのような、8升目型に直した。以上のような事が有
ったのではないかと、私には思える。なお元が滅んで明王朝の時代に
なると、明が、東南アジアの独立を支持した事から、中国との友好関
係は戻り、恐らく馬と車は、桂馬と香車の動きから、元の八方桂と飛
車の動きに、戻ったのであろう。しかし、その頃になると、タイの王
朝が勢力を増し、マークルックの影響が拡大し、元の9路型には、
戻すことは出来なかった。その結果、現在のカンボジアのシャッツロ
ン(オークシャトランジ)に、なっていったのかもしれないと、私に
は今の所想象される。(2018/04/03)

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