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七国将棋。”他の6将を倒せば勝ち”というルールが無いのは何故(長さん)

今回は、ややくどくて、申し訳ないが、前回の論題の蒸し返しのであ
る。前回も述べたが、七国将棋の終局条件は、他の将を2つ取るか、
他国の駒を、相手が、駒枯れで既に負けている状態で、只取りできる
場合も含めて、30個以上取れば、その時点で勝ちである。
 これは、たとえて言うならトライルールを作って、日本将棋が早く
終わるようにしているような、ルール形式のものであり、本来なら、
表題のように、

”他の6将を倒せすか、他6国共、7駒以下になり、駒枯れにしてし
まい、1国だけ残れば勝ち”

というルールが、終局となる前提ルールとして、それ以前に存在する
のが当然のように思える。
 ところが、七国将棋に関しては、このような、前提となる勝負を付
ける条件に関するルールが、考えてみると、少なくとも今日では、

ぜんぜん見当たらない。

これは、何故なのだろうかというのが、今回の論題である。
 そこで、答えを先ず最初にいつものように書く。

この自明な終局ルールは、元々は有ったのだが、日本では適用された
事が全く無かったため、わが国では、たまたま忘れ去られてしまった

と、私は推定する。すなわち、
”普通にゲームをした場合、たいていは、他の国が全部、7駒以下の
駒枯れになる前に、覇者が30個駒を取った状態になるから”、

ではない

と言う事である。
 以上の点について、少し補足する。
 前回述べたように、七国将棋では、序盤が少し危ないだけで、自国
の玉駒が詰んでしまって、その国が負けるという事は、ほぼ無いとみ
られる。特に、盤上に駒が少なくなる中盤以降は、盤升目が19×
19と広いため、各国の奔王動きの玉には、囲いも要らない位である。
 次に、取得した駒がどの位の枚数になるかだが、

互いに棋力が近い7人の対局のケースは、最多取得者が30枚になる
ケースは少ない、

と、私は見る。皆が、前回述べた”ハイエナ作戦”を当たり前にする、
上級棋士同士の対局の場合は、取得枚数にさほどの差が付かず、トッ
プランナーが30枚には、とても届かないと、言う事である。なお、
完全に均した場合、一人当たりの取得駒枚数は、このゲームでは、
15枚弱になると見られる。
 つまり、

通常の七国将棋のルールは、早く勝負を付ける効果があるどころか、
本来の終局になっても、達成されない疑いがある

と、言う事である。日本の江戸時代の古文書にも、現在に残るルール
に近い事が、書いて有るようだが、”他の六人を打ち負かせば勝ちだ
が、これこれしかじかでも勝ちだ”とは、確かに書いてない。気がつ
けば、有った方が自然な前提だと、ただちに判る事だとは思うのだが。
日本では今まで放置されていたというのは、マイナーなゲームだとは
いえ、

不思議な話だ。

 恐らく、近世中国では七国将棋は、”6人共やっつけたら勝ち”に
なっていたに違いない。しかし、日本に輸入されて、江戸城で指され
ているときに、どうやら、本来の終局条件が、消えてしまったようだ。
 という事は、

一強六弱に近い状態で、徳川家治らによって、指された以外に、日本
では、余り興じられた例の、無いゲームだったとしか、考えられない

のではないかと、私は思う。恐らく、江戸城では、このゲームに熟達
した人間と、付き合いで指している人間との間の熟達度に、大差が
あったのだろうと、私は想像する。 つまり江戸城では、一強は、
ほとんどの場合、取得した駒が30枚を超える、ケースばかりだった
のであろう。そのため、ルールブックに、本来の、ゲームの終端条件
が、記録されなかったのではないか。江戸中期には、徳川家治がこの
ゲームをするので、識者の間では話題になったようだが、他で指され
た事は、ほとんど無いと見てよいのであろう。つまり、この日本版の
ルールの不備は、広くは流行らなかったゲームであるという、やはり
証拠の一つなのではあるまいか。
 何れにしても”6人共負け抜けて、1人のみ勝者として残れば勝ち
だが、他の2将を倒すか、取得した敵駒の数が、30枚以上になった
らそれでも勝ちとする。”という形式に、七国将棋のルールが、伝え
られて居無いというのは、常識的に考えて、不自然な話である事には
間違いないと私は思う。(2018/06/18)

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