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岡野伸氏紹介。韓国に大中小三種類の将棋が有ったと書かれた辞書(長さん)

岡野伸氏が1999年に自費出版された、「世界の主な将棋(旧版)」
の「チャンギ(朝鮮)」の歴史と現状についての部分で、2.広象戯
(朝鮮)の項目部分に、次のように書かれた”くだり”が有る。

”辞書で、朝鮮には大、中、小の3種類の将棋があったという話を
聞いたこともありますが、詳しいことは分かりません。”

 御恥ずかしながら、私は最近になって、ようやくその辞書らしい
ものを発見した。
 大阪外語大の塚本勲(当時)氏が編集した、「朝鮮語大辞典」
角川書店(1986年)の”将棋、将棊”の項目である。
韓国の辞書ではなくて、

日本人が作成した、韓日辞典に書かれていた

のであった。
 問題の箇所の記載は、次のようになっている。

”大将棋、中将棋、小将棋などの種類があり、現在一般的なのは
小将棋である。”

 言うまでも無いが、現実に今に残る記録として、

チャンギに、大チャンギや中チャンギなどは、無い。

小チャンギも無いし、現行チャンギはチャンギである。つまり、
この辞書には、文が、現在形で書いてあるから、これは明らかに、

日本の将棋とチャンギ(朝鮮)とを、混同しているのである。

この韓国語の辞書の日本の編集者は、韓国の文化の研究には深かっ
たが、恐らく日本の将棋の歴史には、余り関心が無かったのであろ
う。ハングル語のチェス・象棋・将棋ゲーム史の元本を、読み間違
えたようだ。
 他方、この辞書の説明のおおもとになった、韓国の遊戯史本の著
者の方は、日本の将棋の研究には、おおいに熱心であったに違いな
い。つまり韓国の遊戯史本には、”世界の主な将棋”と内容が類似
の、韓国人遊戯史研究家の著作のようなものが存在し、そこで

日本の大将棋、日本の中将棋、日本の平安小将棋のハングル訳を、
それぞれ作成してくれていた事が、これで判る。

 つまり、

中将棋、大将棋等は、韓国のキャンギ・ゲームではなくて、日本の
将棋・ゲームの事とこの辞書の、この部分の”時制”が、現在形で
ある以上、少なくとも今の所、そう取るべき

だと私は考える。
 なお、日本人編集の韓日辞典の”将棋”には、もっとすごいのが
ある。例文として、”飛車角落としの将棋”という用語のハングル
文字訳が、載っているものまであるのだ。つまり、ハングル文字で
書かれていても、朝鮮チャンギに関する事柄ではない事が、韓日辞
典の場合は、ままあるようである。これも、例文の原文は、韓国語
の”日本の将棋”という内容の書籍に、載っていたはずだ。韓国に
も日本将棋の棋書は、稀では無い事が判る。
 何れにしても、情報の出所がようやく分かり、これで、この件に
ついては、少なくとも何者かが分かり、すっきりしたような気がし
た。なお、岡野伸氏は”世界の主な将棋”についても、その後改訂
版を出しているので、新版ではこの記載は、本人もその後正体に気
がついて、削除している可能性が有る。(2018/07/05)

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