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岩手県中尊寺境内金剛院遺跡出土の裏2文字金将歩兵は何故存在する(長さん)

前に、岩手県平泉市の中尊寺境内金剛院遺跡出土の歩兵~銀将駒
の成りを議論した。裏楷書”金”+”丶”駒と、裏一文字一筆書
き”ケ”金駒の2種類が出土していると、本ブログでは見るとい
う事であった。実は、天童の将棋駒と全国遺跡出土駒のカタログ
によると、1枚だけ、この枠組みから外れる駒がある。
 表題のように、成りが金将と書かれた、いっけん尤もらしいが、
実はこの1枚しか、全国的に見ても出土して居無い、奇妙な将棋
駒が有るのである。上記カタログには”成りは金将か”と、コメ
ントされた、表は別の歩兵の駒と、同じように歩兵と書いてある、
歩兵駒である。そこで今回の論題は、表題に書いてしまっている
が、この裏2文字金将歩兵駒は何故存在するのか、とする。
 そこで、これについてもいつものように、先に回答を書いてか
ら、説明を後でする事にする。答えを書く。

予備の駒がたまたま出土していると、私は考える。

では、以下に説明をする。
 そもそも、ゲームを始めた際、この駒を使うと、間違って金将
の所に、この駒を置いてしまうという事故が発生するのは、明ら
かだと思う。だからこの駒は、実際には、なるべく使いたくない
駒のはずだ。しかし、こんな駒を作ったのには、何か訳があるの
だろう。
 今でも、将棋の駒セットを買うと、歩兵が1枚余計についてく
る。駒をなくしたときのため、本来は日本将棋の駒は40枚なは
ずであるが、たいがい余分に歩兵が一枚有って、41枚で、ワン
セットになっているようである。昔も、同じような事をしたのか
もしれない。ただし、中尊寺境内金剛院遺跡出土駒の場合、玉駒
が出土していないため、恐らく玉将2枚がどうなっているのかは、
謎なのだが、

金将・銀将・桂馬・香車・歩兵が、余り大きく駒の大きさ形が
違わない

という特徴がある。そこで考えられる事は、出土したこのへんな

裏2文字金将歩兵駒は、歩兵を1枚紛失したために、実際に使用
されたのではないか

とも、考えられるという事である。つまり、

金将と間違えてしまうのは我慢して、不足の歩兵を元々の予備の
金将を改造して、代用で急ごしらえして使ったもの

という事である。現在の日本将棋の一般的な商品と違い、歩兵を
1枚予備に作成したのではなくて、金将が元々1枚余分に有って、
余っているはずなのであるが、歩兵が無くなってしまったので、
その裏に歩兵と書いて、代用したと考えられると言う事である。
 このように、元々の予備駒を、歩兵ではなくて金将にする利点
は言うまでも無く、

歩兵の代用としてだけでなく、歩兵、香車、桂馬、銀将、金将が
1枚不足したときには、金将のケースを除いて字を書く手間はあ
るが、どれでも代用に一応できる

という点が、考えられる。ただし、裏が草書の一文字金や、楷書
の一文字金+”ヽ”では無いので、金将と間違えて使ってしまう
欠陥は、有るという事だろう。ただし、駒不足でゲームが不能に
なるよりは、その方がマシには違いない。
 そのため、ひょっとするとこの時代には、さいしょから

金将駒は、多少余分に用意する傾向が有った

のかもしれない。
 以上の話よりも、さらに信頼性は低いが、興福寺の出土駒に
金将が多いのも、予備の分が、ひょっとして入っているせいなの
かもしれないと、一応は疑える。(2018/09/18)

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