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摩訶大大将棋の狛犬は、なぜ金将に成るのか(長さん)

水無瀬兼成の将棋纂図部類抄によると、摩訶大大将棋の5段目
走り駒は、奔王、龍王、龍馬を除いて金将に成り、狛犬を含む
4段目中央5個組、仏教駒も金将に成るとされる。どのような
規則で金将にしているのかと言えば、

金将の6方向の隣接升目への行き所に関して、一箇所でも欠け
た大駒・跳び駒・踊り駒は、金将に成るとする

という規則であると考えると、鳳凰、麒麟は別格として、

狛犬以外は説明が付く。

しかしながら、狛犬に関しては、もともと8方向の隣接升目の
何れにも行き所があるにも係わらず、例外的に、金将に成る規
則になっている。これが何故なのかを今回は、純粋にルール・
デザインの問題という観点から論題にしてみる。
 いつものように、回答を先に書き、次いで説明を加える。

曼殊院の将棋図では、不成りだったが、水無瀬兼成が写すとき
に間違えた可能性が高い

と、本ブログでは推定する。
 では、以上の結論について、以下に説明を加える。
 まず、狛犬以外の大駒に例外が無い事について説明する。
 水無瀬兼成の将棋纂図部類抄では、たとえば最も原本に近い、
2014年の島本教育委員会発行の冊子”象戯図”を見れば判
るが、

獅子が摩訶大大将棋では、不成り

になっていて、奮迅には成らない。獅子も隣接升目へは全部行
ける事が、摩訶大大将棋口伝等に書いてあるから、金将の行き
所について、欠ける升目は無いので、不成になるのが妥当と考
えられる。また、たとえば金剛については、前と横へは3目限
定踊りなので、隣接升目へは行けず、金将の行き所に関して欠
けがあるから、金将に成るで、合っている。
 だから、水無瀬兼成の摩訶大大将棋で、後期大将棋の成りに
合わせたとみられる、麒麟と鳳凰は除くと、

おかしいのは狛犬だけ

である。
 次に大大将棋では、獅子が獅子+狛犬動きの奮迅に成る事に
したのだが、狛犬については、種切れで金将にしたという説明
を、たとえば苦し紛れにするとする。しかしそれでは、大大将
棋の狛犬の成りが、それなりに尤もらしい、斜め前には2升目
踊りだけの、教王の動きと見られる、大象にしていて、

狛犬の成りを考えようと思えば、考えられたわけで、問題は解
決済み

なのが説明できない。つまり、”行き詰まって狛犬の成りを、
無理やり金将にした”という説があるとすれば、それもおかし
な話なのである。
 そうなってくると、残りの解釈は、

水無瀬兼成が、将棋纂図部類抄の大大将棋初期配列の成りの
図を作成した時に、本来は空白にしなければならなかった
狛犬の成りの部分に、誤って”金”と書いてしまった

というふうにしか、説明できないのではないかと、私には思え
る。どうみても、狛犬は成らない方が、

獅子との対という説から見ても、このケースは妥当

だと思われる。よって今後は、獅子を奮迅に成らせないような、
将棋纂図部類抄の図の摩訶大大将棋を指す時には、本ブログで
は以降、

狛犬は不成りを提唱

する事にしたいと、考えているのである。(2018/10/18)

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