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邦訳日葡辞書の”踊り”の意味(長さん)

よく知られているように後期大将棋から上位の駒数多数
将棋には、”踊る”という動きがある。初出は安土桃山
時代末の、将棋纂図部類抄からであり、繰り返す動きの
意味であるという意見が強い。問題点を先に述べると、
”踊り”と言うと、今日では人の動きをイメージしやす
い。が、日葡辞書によると、それが誤解のもとらしい。

動物の馬の走りの動きの一種について、16世紀末から
17世紀にかけては観点としていたらしい。

 結論は以上だが、以下に説明を述べる。
 本ブログでは、今の所、将棋纂図部類抄流の踊りは、
室町時代早期から江戸時代まで、同じ意味で使用されて
いたとみる。味方の駒を跳び越えられるし、相手の駒も
跳び越えても良いし、取っても良い、途中取りの出来る
跳ぶ動きだという事としている。一応、南北朝時代以前
は、本当の繰り返ししか、出来なかったので、味方の
跳び越えと、相手駒”取らず”は出来なかっただろうと
考えている。少なくとも水無瀬兼成が、比較的自由度の
高い、”後期の踊り”を取っていたと、獅子の駒の現在
に残るルールから、獅子型の踊り説を今の所一応本ブロ
グでも取っている。しかし、”自由度が高くなった理由”
は、良く判っていなかった。
 しかるに、水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の時代の辞書、
日葡辞書の日本語訳である、邦訳日葡辞書(岩波書店)
に、踊りとその派生語が3個程度載っているのを、最近
発見した。繰り返すと、馬の動作の一種の意味に取り、

日本舞踊の”踊”のように、人間の動作に適用している
気配が余り無い

のを認識した。将棋駒は、日葡辞書にこれもあるが、当
時はもちろん”馬”とも言われ、今より将棋駒は、馬の
イメージが強かったはずである。
 また、16世紀の前半から中盤は戦国時代であるから、
将棋は合戦のイメージであり、合戦で使われる馬のイメー
ジが元々有り、それを模したゲームである将棋の駒の動
きは、ゲームのルールを表現するのに使う言葉に関して
も、合戦用語に近い意味で、使われる事が多かったろう
と、推定するのが自然だろう。つまり日葡辞書の”踊り”
の説明を見る限り、

大将棋等の駒の一部の”踊り”の動きとは、馬が器用に、
小刻みに中足で、すばしこく走る動きの意味

ととれると言う事である。
 人間が、繰り返し同じ動きで踊っているという意味は、
平和なより後世の、近世の踊りのイメージに違いない。
 その結果、馬の足は器用なので、味方が途中に居れば
適宜跳び越すし、乗馬者の判断によって、有利になるか
どうかに応じて、途中喰いしたり、しなかったりも出来
ると、

恐らく南北朝時代になって、戦乱の世になったときには、
前の時代の踊りルールを、変更も出来た

のであろう。
 以上のように踊りは、馬の走り歩きを何歩かまとめて
する動きと、水無瀬兼成の頃には解釈できたと、日葡
辞書から推定できた。日葡辞書は、現代の国語辞書のフォー
マットに近い上に、安土桃山時代の末現在の、日本語を
反映していると仮定できるので、

将棋纂図部類抄の、日本語を理解するには有力なツール。

以上のように、見なせるように私には思える。なお一般
的に言って、安土桃山時代の口語は、今の日本語の意味
と余り違わない。狛犬の駒の動かし方ルールに出てくる
”要(かなめ)”は、安土桃山時代でも”基本”の意味
である。(2019/05/30)

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